大判例

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東京高等裁判所 昭和27年(ネ)536号 判決

控訴人等は連帯して被控訴人に対し金十万円及び之に対する昭和二十六年十一月六日から右金額完済に至る迄年一割の割合による金員を支払え。

被控訴人の其余の請求を棄却する。

訴訟費用は第一、二審共控訴人等の連帯負担とする。

二、事  実

控訴人等訴訟代理人は「原判決を取消す、被控訴人の請求を棄却する。訴訟費用は第一、二審共被控訴人の負担とする」旨の判決を求め、被控訴人は控訴棄却の判決を求めた。

当事者の事実上の陳述は被控訴人において被控訴人は貸金業者で貸金の最高利率日歩五十銭として大蔵大臣に届出をなし受理せられて居るものである本件貸金の利率は日歩三十五銭の約定であると述べ控訴人代理人は被控訴人の主張事実全部を認めると述べた外原判決記載と同一であるからこれを引用する。

三、理  由

被控訴人が金十万円をその主張する約定の下に控訴人等に貸付けたことは争ない。

被控訴人は貸金業等の取締に関する法律に謂う貸金業者で大蔵大臣に対し貸金の最高利率日歩五十銭として届出で受理せられている事実も争のないところである。然しながら同法律第八条の規定に基く貸金業者の金利の限度は未だ定められては居ないし大蔵大臣がこれを決定し得る権限も有しない。前記被控訴人の届出及びその受理により被控訴人に利息制限法の定める限度を超えた利率を定めることが許されたり或は同法第五条の適用が排除せられたものではない。本件貸金においては期限後の損害金を百円につき日歩三十五銭と定めたものであるが、この約定は前記利息制限法第五条の規定により貸主の事実受けた損害の補償に不当であると認められるときは相当の減少を為さるべきものである。然るに本件において控訴人等の遅滞により被控訴人に特に如何なる損害を生じたかにつき何の立証もないから民法第四一九条により約定利率年一割(前記日歩三十五銭の約定利率を利息制限法により引直した率)として定めた損害額に比して前記約定の補償額は不当であると認めざるを得ない。よつて本件の損害金は右のように法律上許された範囲の年一割の割合に迄減額せらるべきものである。然らば本訴請求は貸金元金十万円と昭和二十六年十一月六日以降右の損害金の範囲でこれを認容すべきものとしその余は失当と認めこれを棄却すべく原判決を主文の通り変更し訴訟費用につき民事訴訟法第九十二条を適用して主文の通り判決する。

(裁判官 小堀保 角村克巳 原増司)

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